そばにいさせて～クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
「どうした？」

そんな私の異変に気付いて、GMは道路の脇にゆっくりと停車した。

私の体は自分で制御できないくらいがくがく小刻みに震えていた。

「･･････恐い」

震える声で言った。

「恐いって何があったんだ？」

GMの大きな手が私の震える肩をしっかりと掴む。

「家に帰るのが、恐いんです」

ゆっくりと顔を上げると、すぐ目の前に心配そうに見つめるGMの顔があった。

「玄関に『×』って書かれてて、こないだは卵がいっぱいポストに入れられていて･･････」

そんな優しいGMの目を見た瞬間、涙が一気に溢れ出す。

「･･･････帰りたくない」

彼の目を見つめながら、思わずそんな言葉が口からこぼれてしまった。

その時、私の体がぐっと引き寄せられGMの温かい大きな胸に抱かれる。

「どうしてさっき俺に言わなかった」

誰のものかわからないくらい激しく胸を打ちつける熱い鼓動を感じていた。

痛いくらいに強く抱きしめるGMの腕は、私の体の震えをしっかりと包み、誰にも言えなかった私の固く縮こまった心が静かにほぐされていく。

「大丈夫だ」

ゆっくりと何度も確かめるように耳元で響く彼の低音。
これは現実？現実なのか夢なのかわからなくなっていた。

私の体を支える腕、ほんのり甘いオーディコロンの香り。

ふと、火の海から助け出されたあの日と時空が重なる。

「助けて」

気付いたら、GMの胸の中でつぶやき、その腕をぎゅっと握り締めていた。
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