嬉し涙を流す場所は。

稀「雄にいには沢山お世話になった。
私は今まで雄にいに負担と迷惑しか
かけてこなかった。
ようやく恩返し出来る時が来たから
私、やれるだけ頑張ってみる。
だから、今日まで本当にありがとう!」

玄関で頭を下げる私の元へやってくると
大きな手で私の頭を撫でた。

雄大「頑張りすぎるな。」

稀「え?」

雄大「稀は今まで十分頑張ってきたから。
もちろん、頑張る事は悪い事じゃない。
ハンデがあったのに教師になりたい
という夢を叶えた稀の事を誇らしく思うよ。
でも、俺に迷惑かけたくないとか
負担になりたくないとかそんな理由で
遠慮するのは間違ってるから。
つまらない事で遠慮したら
容赦なく俺は別れるからな。
そこんとこちゃんと理解しとけよ。」

稀「...うん。」

雄大「いってらっしゃい。稀。」

稀「いってきます。」

雄にいに見送られ徒歩15分の距離にある
高校の門をくぐる。
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