嬉し涙を流す場所は。

だって、閉ざされた私の未来よりも
無限に広がる生徒達の未来の方が
遥かに希望と夢は溢れているのだから。

稀「松下先生の事、好きなの?」

笹野「そ、そんなんじゃないてす!!
ただ、松下先生はクラスで
一人ぼっちの私の事を初めて
気にかけてくれた先生だから
いい先生なんだなって思っただけです。」

頬を赤らめる笹野さんの
恋心は十分すぎるほど分かる。
いくつだろうが関係なく
救われる言葉や行動は
この世の中に無限に存在している。

稀「応援...したいな。」

笹野「...応援?何をですか?」

稀「笹野さんが今よりもっと
頑張れるのなら応援したいよ。
叶わない恋って今は思うかも
しれないけど、笹野さんが
高校を卒業した時、状況は
変わると思う。教師と生徒って
関係じゃなくなった時こそが
スタート地点なのかもしれない。」
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