嬉し涙を流す場所は。

怜「手術を受けたくない訳じゃないんです。
出来る事なら僕だってまだ生きたい。
でも、僕はこの手が使えなくなったら
生きていけるのか不安なんです。」

蒼太「それはどうして?」

怜「柳瀬先生はチェロって
楽器を知ってますか?」

蒼太「知ってるよ。」

怜「僕は5歳の頃からチェロを
弾いてきました。
小さな体で大きなチェロを抱え
周りの人にバカにされながらも
一生懸命頑張ってきたんです。
少しでも上手くなれるように
少しでも多くの人に演奏を
聞いてもらえるようにって
周りから白い目で見られても
僕はチェロを弾き続けたんです。」

蒼太「そうだったんだ。」

蒼太「その努力がようやく実って
全国大会までいけたって言うのに
急に良く分からない病気だって言われて
手術してもしなくても
もう二度とチェロを演奏出来なくなる
かもしれないって言われたって
受け入れられないですよ。」
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