嬉し涙を流す場所は。
夏祭り当日。
18時に稀と共に家を出た。
地元の夏祭りと違って、さすがは都会。
賑わいは雲泥の差だった。
稀の手をぎゅっと握り締めると
強ばっていた表情が少しだけ緩まった。
楽しく...とはいかなかったと思う。
でも、俺たちはそれなりに楽しんだ。
大丈夫。まだ初めの1歩だ。
これから少しずつ過去を
乗り越えていけばいい。
稀「ねぇ、雄にい。たこ焼き食べよ。」
雄大「ああ、そうしようか。」
たこ焼き屋の前にお金を払い
受け取ると、稀が誰かと話していた。