嬉し涙を流す場所は。
雅喜「そう。」
蒼太「まだ一年あるなんて
高くくってるとあっという間に
卒業だよ?研修とか
色々行ってるんだろ?
どこもいい所なかったのかよ?」
雅喜「どこもパッとしない。
でも、最終的に俺は‥‥
親父の後を継ぐんだと思う。
そのために医大に入ったから。」
蒼太「そっか。
じゃあお前の目標は
町医者ってやつだ。」
雅喜「まあな。」
親父の後を継ごうだなんて
医大に入ってから一度も
思った事なんてなかった。
だけど、雄にいが家を継がないなら
俺が代わりに継ぐしかない。
俺は所詮、その程度の
覚悟しかなかったんだ。
蒼太「授業も終わったし
飲みにでも行く?」
雅喜「まだ昼間だぞ。」
蒼太「いいじゃん、たまにはさ。」
強引に手を引く蒼太の
後ろ姿を見て思う。
目標がある奴はキラキラと
輝いて見えるんだなって。