嬉し涙を流す場所は。
雄大「ええ、そうです。
御両親のお気持ちは痛いほど分かります。
どちらも死なせたくない。
そう思うのは当然です。
ですが、このままではどちらの命も
なくなってしまうかもしれないんです。
佑磨くんを救う方法は1つしかありません。
拓磨くんの心臓を移植する事です。」
父「ちょっと待って下さいよ!
冴島先生は仰いましたよね?
どちらも救う方法を考えると。
それは嘘だったんですか?」
立ち上がった佑磨くんの父親は
冴島先生の胸倉を掴む。
冴島先生は何ともない表情を
していたけど、ここ最近の姿を
見てきたからこそ、いたたまれない
気持ちになった。
蒼太「離してください。」
父「え?」
蒼太「辛い気持ちは分かります。
...なんて、言われても
信用出来ないですよね。
腹立ちますよね。自分の子供の
どっちかを犠牲にしろって
言われたら、俺も耐えられないです。」