嬉し涙を流す場所は。
彼女が生きる希望を持てるまで
寄り添う事が何よりも大切だ。
そんな事は分かっていた。
だけど、俺は寄り添えなかった。
何度、その命を救ったとしても
必ず彼女はここへ戻ってくる。
当然といえば当然だ。
生きる意味を見い出せない
医者の言葉など彼女の胸に
響くはずがない。
蒼太「俺は生きたくないと思ってる人の
命を助けたいとは思いません。」
雄大「彼女はまだ生きられる。
病気でもない。健康だ。
だけど、苦しみと共に生きる彼女の心は
とうの昔に死んでしまったんだ。
だから、彼女は生きる希望が持てない。
心が死んでしまったから
健康でも生きられないんだ。」
俺はまた柳瀬に助けて貰おうとした。
蒼太「だったら、助けるのは
俺たちじゃないですよ。
精神科医やカウンセラー
心の治療に特化した人たちが
助けるべきです。」