嬉し涙を流す場所は。

過度な期待を持たせる事が
優しさだとは俺は思わない。

雅喜「状況からしてあんたの両親が
助かる確率は五分五分だ。」

多田「...そんな。」

出来る事ならこの言葉を
稀にかけてあげたかった。

雅喜「でも、あんたは1人じゃない。
例え、両親が亡くなったとしても
絶対に1人じゃないから!」

あの頃の稀に言ってあげたかった。
1人じゃない。俺がいる。

どうして俺はその言葉を
かける事が出来なかったんだろう。
< 328 / 340 >

この作品をシェア

pagetop