嬉し涙を流す場所は。
雄大「大輔くんはもう大人だから
正直に言ってもいいか?」
大輔「うん。そうしてくれると
嬉しいよ。先生はいつも
俺には言葉を濁すから。」
その返答を聞いた時、確信を得た。
彼は俺が思うよりもずっと
大人になっているのだと。
カルテの横に置いてあった
画像の写真を取り出し
ありのままを彼に見せた。
今までずっと隠してきたそれを
彼に見せるのは初めての事だった。
雄大「一年前に比べると大輔くんは
ほんの少しだけ良くなってきてる。
今まで通り、運動と食事制限を
徹底してもらえれば
君は後、3年は生きられるはずだ。
今までよりも窮屈な生活になると思う。
心苦しいけど、君は他の人よりも
努力しなければ当たり前な生活を
送る事は出来ない。でも、君が
もっともっと生きたいと願うなら
俺はどこまででも手助けになる。」
大輔くんは笑っていた。
この8年間。俺は、彼の笑顔を
見た事がなかった。