嬉し涙を流す場所は。

大輔「勘違いしないでよ、先生。
俺は先生を責めてる訳じゃないよ。
この8年間、冴島先生はずっと
俺の担当医でいてくれた。
ほら、俺ってさ4歳の頃からずっと
病院通いだっただろ?
何回も何回も担当医が変わって
病院も変わって、こんなにも長く
俺の事を診てくれる先生に
出会った事なかったから。
俺は一番に冴島先生の事を信頼してる。
冴島先生が生きられるって言うのなら
本当にそうなる気がするんだ。」

雄大「ありがとう。君の
その言葉が励みになるよ。」

大輔「俺が冴島先生の励みになるの?」

雄大「大輔くんだからこそ
励みになるんだよ。」

大輔「そっか。驚いたな。
こんな俺でも誰かの励みに
なれるんだ。親にも友達にも
心配しか、かけてこなかった
俺が一番信頼してる
冴島先生の励みになるなんて。
それって...すごく嬉しい。」

その時の流れと共に
俺も彼も成長するという事を
改めて気付かされた。
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