嬉し涙を流す場所は。
~稀side~
雄にいが連れてきてくれた場所は
雑誌なんかによく載っている
高級ホテルの最上階にある
レストランだった。
一瞬にして背筋が伸びる。
運ばれてくる料理に
いちいち驚きながらも
少しずつだけどこの場の
雰囲気にも慣れてきた。
ーカチャカチャ
ーカチャカチャ
使い慣れていないナイフと
フォークのせいで目の前の
お肉が上手く切れなかった。
だけど、雄にいは
慣れた手つきで上手に
お肉を切っていく。