嬉し涙を流す場所は。
ー8年前 春ー
私のお父さんは地元では
有名な会社の経営者だった。
お母さんは専業主婦で
どこにでもある平凡な
家庭で私は育った。
優しいお母さんがいて
穏やかなお父さんがいて
いつも笑顔の絶えない
2人が私の自慢だった。
稀「お父さん!お母さん!
いってきます!」
制服に身を包み
今日から始まる新学期に
私は心躍らせていた。
母「稀!お弁当!」
稀「あ、いけない。忘れてた!」
母「本当に稀は
おっちょこちょいなんだから。
もう高校生なんだから
少しはしっかりしなさい。」
父「いいじゃないか。
稀はそうゆう所が可愛いんだから。」
稀「ありがとう。お父さん!」