死後の光
「あーかぁりぃ――!!」

 外でうるさく蝉が鳴いている。


「あかり――!!?」

 幼い頃からの付き合いである 美和(みわ)が 
私の名前を呼んでいる。

「んえ!?」

「どうしたの!? さっきから ボーっとして、いつものあかりらしくないじゃん!」

「ん~・・。 そーかな。 いつも どーり」

 ほんの少しだけアイソ笑いをして

 中谷あかりは、色とりどりに
食材のもられた弁当をみつめた。


 教室の温度は、生徒の体温と外から照りつける太陽の熱で
熱気がムンムンにたちこめていた。

 箸でつまんで ミートボールをクチの中にいれる。

 暑さと だるさで、意識がもうろうとする中

 蝉の声だけがうるさく頭の中に響く。


「つーか、どっかに良い男ころがってないっかなぁ~!」

 クラスでもかなりめだっている
オシャレ大好きな未来(ミライ)が
だるそうに そういった。

「え~。ミライには、カッコイイ山口翔先輩がいるでしょー??」

 未来は、中学2年になってから染めた茶色いウェーブのかかった 髪を撫で付けながら

「そーだけどさぁ、やっぱ 涼平先輩にわ かなわないっしょ!?」


 黒木涼平(クロキ リョウヘイ)


 いつも翔先輩と 一緒に歩いていて、めだつことがあまり好きそうではないけれど、
涼平先輩の 整いすぎた顔に
 皆釘付けになるのだ・・・・。

・・もちろん。
 私もその中の一人。

 でも、コレは恋じゃない。人は性格で選ぶものだし、
私と涼平先輩じゃ、つりあうわけないじゃん・・・。

 何度もそう思って
気持ちを押し込めたケド・・・

 本当は好きなのかな・・・?
 でも、見てるだけでいいのよ・・・



 見てるだけで・・
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