最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
「うっ、怖い!」
思わず窓から顔を背けて、ギュッと慧に抱きつき、"早く消えて"と祈る。
「もうどこかにいったよ」
私の背中を撫でて慧が知らせると、「本当?」と恐る恐る顔を上げて視線を窓の方に戻した。
「ダイビングの時に海ヘビに遭遇しなくてよかったよ」
とりあえず視界からはいなくなったようでホッとする。
そんな私を見て彼は面白そうに目を光らせた。
「そんなに苦手なのか?」
「ヘビの絵を見るだけで失神しそう。もうあのニョロニョロの姿がダメで、うなぎも嫌いなの」
顔をしかめて言えば、彼は笑った。
「うなぎは美味しいのにな」
それからガイドさんが数メートルある岩のように大きな珊瑚の話もしてくれて、一時間程のツアーは終了し、港に戻る。
「ありがとうございました」と言って船を降りると、ガイドさんが「近くの水族館にイルカがやってきたみたいですよ」と教えてくれた。
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