最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
「まだ時間があるし、見に行ってみるか」
慧の言葉に頷いて、水族館に向かう。
夏のオープンに向けて準備中らしいが、蓮見不動産の関係者ということで特別に中を見せてもらった。
水族館の水槽にはまだ魚はいない。
スタッフの案内で奥に進んで行くと海が見えた。
よく見るとオレンジのブイで囲まれた生け簀があった。その大きさは二十メートル四方。
イルカが二頭元気よく泳いでいる。
「バンドウイルカです。地元の定置網に迷い込んだのをうちで保護したんですよ」
スタッフの話に耳を傾けながら生け簀に近づく。
するとイルカが二頭寄ってきた。
イルカの体長は二メートル弱ほどで、小ぶりに見える。
「尾ビレに傷がある方がオスのキース、傷がない方がメスのマリーです」とスタッフの人が説明する。
スタッフがホイッスルを鳴らして何か指示を出すと、イルカ二頭がキーキーと愛くるしい顔で鳴く。
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