最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
今のところ私達の関係は会社の人にバレていないが、みんながいるところで『慧』と呼びそうになったことが何度かある。
「水沢は俺と同じAランチのトンカツかよ。どんだけガッツクの、お前」
田辺君が水沢さんを弄るが、彼女は動じない。
「田辺さん相手するの疲れるんでガッツリ食べようかと」
冷ややかにやり返して田辺君を黙らせると、彼女は慧に目を向けた。
「蓮見部長はカレーなんですね」
「次は新宿で打合せだから、一時には会社を出たいんだ」
カレーを食べながら慧は微かに口角を上げると、水沢さんは相槌を打ちつつ身を乗り出した。
「カレーなら早く食べられますもんね。朝思ったんですけど、部長焼けましたよね?連休は海にでも行ってきたんですか?」
「ちょっと南国にね」
慧はそう答えて詳細は言わなかった。
「いいなあ。東雲さんも沖縄なんですよ」
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