最愛～一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました～

「慧は朝横浜で打合せで、午後は社長と北海道に出張でしょう？時間がないよ」
私が言い聞かせようとすると、彼はこちらがキュンとなるような理論を展開した。
「でも、明日から数日間香澄の顔が見られなくなる。しっかり充電しておかないと、仕事に支障をきたすだろ？スーツケースに香澄を入れていけたらどんなにいいか」
悩ましげに言う彼が可愛くて思わずクスッと笑ってしまった。
「窒息死しちゃうよ」
「香澄も同行させればよかったな」
そうボヤキながら彼は私を背後から抱き締める。
肌に直接伝わる彼の温もりにドキッ。
「社長もいるのに変に思われる」
理性をフル稼働して、彼の誘惑を必死に跳ね除けた。
「そのことだが……」
慧が何か言いかけたが、時計を見て遮った。
「あっ、もう本当に時間ない！早く準備しないと、慧が打合せに遅刻するよ」