最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
美味しいのだがあまりにも熱々で、舌がジリジリ痛む。
私が顔をしかめて口元を押さえると、蓮見さんが女将に水を頼んだ。
上司に気を使わせてどうするんだ……と自分にツッコミを入れながら、女将が持ってきた水をゴクゴクと飲む。
「見た目は落ち着いているのに結構そそっかしいんだな」
彼は面白そうにククッと笑った。
イケメンだし、近寄りがたいイメージだったけど、意外に蓮見さんはよく笑う。
その笑顔に胸がトクンと高鳴った。
「わ、笑わないで下さい」
少し照れながら言い返せば、彼は笑いを噛み殺しながら謝った。
「悪い。母親に似てて。うちの母親はアイスを冷蔵庫に入れたり、レンジでゆで卵作ろうとして爆発させたりといろいろとやらかすんだ」
彼の話に思わずクスリと笑ってしまった。
「アイスを冷蔵庫にはたまにありますけど、レンジでゆで卵は凄いですね」
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