最愛～一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました～

きっとキッチンは卵が爆発してとんでもないことになっただろう。
お酒を飲んだせいもあるかもしれないが、蓮見さんが会話を上手くリードしてくれて、緊張が解けてきた。
初対面の人間とこんなに打ち解けて話せたのは初めてかもしれない。
多分、彼が話上手だからかも。
場が和やかなせいか、料理もとっても美味しく感じる。
それに温かい。
最近、お昼はずっと自席でコンビニの冷たいお握りだったし、誰かとこんなゆっくり食事をしたのは久しぶりだ。
「この鯛飯美味しいです」
蓮見さんにニコニコ顔で言う。
「それは良かった」
笑みを浮かべながらお酒を口にする彼の顔が、少しぼやけて来た。
私……酔ってるのかな？
それに、なんだか眠くなってきたかも。
ここで寝てはいけない……と何度も瞬きする。
蓮見さんの話に相槌を打つも、その声が段々子守唄のように心地良く聞こえた。
ダメ。……眠い。