最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
そんな私とどう接していいか、父もわからなかったんじゃないだろうか。
ぶっきら棒で物静かな印象だった父。
こんなにじっと父の顔を見ることなんて今までなかったな。
三十分程して、医局に行っていた兄が戻って来た。
時刻は九時半過ぎだ。
「まだ目を覚まさないだろう?何かあったら知らせるように言ってあるから、夕飯食べに行こう」
兄に誘われ、病院から歩いて五分程の距離にあるファミレスに向かう。
院内にもレストランはあるのだが、午後六時に閉まってしまうらしい。
店に入ると割と空いていて、すぐに席に案内された。
兄が私にメニューを手渡し、パラパラと見ていく。
ハンバーグやとんかつ系の重いものは今はちょっと食べられそうにない。
集中治療室は空調が効いてて寒かったし、何か温かくて食べやすいものがいいな。
< 212 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop