最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
これは本当に意識が戻った?
慌ててナースコールすると、担当医師と看護師が現れた。
「ち、父が目を開けて、私の手を握ったんです!」
興奮気味に言う私の説明を聞いて、医師が父の瞳孔を見たり、呼びかけたりして反応を確認する。
「東雲院長、沢田です。わかりますか?わかったら僕の手を握って下さい」
父に優しく担当医師がそう言うと、父は担当医師の手を握った。
その様子を側で見ていたら、父の目はちゃんと医師の目を見ているように見える。
意識が戻ってはっきりしてきた?
そう期待を持った時、兄が息をはずませ治療室に飛び込んで来た。
すると、担当医師が私達兄妹を見て、笑顔で告げる。
「院長の意識が戻りましたよ」
その言葉を受けて、兄も私も父の元に行き、声をかけた。
「父さん、香澄が帰ってきたんだよ」
「お父さん、頑張ったね」
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