最愛～一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました～

ゆっくりと蓮見さんから視線を逸して、「すみません」と謝った。
これで彼の腕に倒れ込むのは二度目。
お説教されるかも。
だが、数秒待っても彼がくどくど怒る様子はない。
代わりに顎を捕まれ、目を合わされた。
その目を見てドキッ。
漆黒の瞳が私をじっと見つめていて、吸い寄せられるように彼を見た。
ピタッと私達以外の時が止まったように、もう彼しか見えない。
「触れたくなるのはなんでだろうな？」
蓮見さんが悩ましげに呟いて、私の頭に手を添え、抱き寄せる。
彼の唇が触れたが、驚きはしなかった。
蓮見さんに引き寄せられ、それが自然にのことのように思えて何の疑問も浮かなばい。
躊躇いがちだったキスは、やがて深く激しくなり……。
キスをしたままふたりで起き上がると、彼は私を抱き上げて、朝私が寝ていた寝室に運んだ。