最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
他の人とそう接しているように……。
それが、私の生き方。
自分の欲を出してしまったからおかしなことになってしまった。
私は何も求めてはいけない。
そんな贅沢は、私には許されないのだ。
自席に戻ると、メールをチェックしながらコーヒーを飲む。
だが、やはり食欲はない。
始業時間が迫って来て、徐々に緊張が増していく。
コーヒーを飲んでいるのに無性に喉が渇いた。
彼がいつ現れるか……それが気になって仕方がない。
始業二十分前になって他の社員も出勤してきた。
「東雲さん、おはようございます」
水沢さんもやって来て私に挨拶すると、咄嗟に笑顔を作った。
「おはよう」
「新しい部長ってどんな人でしょうね?」
彼女の質問に顔が強張った。
「……実は金曜日に会ったの」
蓮見さんと会ったことを躊躇いながら口にすると、水沢さんは金曜日のことを思い出すように言った。
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