最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
私の発言にククッと笑う彼。
「そうだけど、つい最近メールの文が四十って言われたよ」
ハハッと苦笑いしながら答えると、田辺君はニヤニヤ顔で私を冷やかした。
「誰だよ、うちの怖いお局さんにそんなこと言ったの?」
"怖いお局って誰よ"と怒ろうとしたら、横から今一番聞きたくない声がした。
「僕だよ」
一人称が"僕"に変わっているけど、この声は蓮見さん〜!?
咄嗟に振り向こうとして、ハッと思い留まった。
まだ彼と顔を合わせるのが怖い。
この期に及んでって思われるかもしれないが、心の準備が出来ていないのだ。
田辺君や水沢さん、他の部の人達が突然の蓮見さんの登場にポカンとした顔をしている。
「……蓮見部長だよ」
声を潜めて彼の正体を伝えれば、田辺君が蓮見さんを見たまま「……新しい部長?」と呆然とした様子で呟いた。
< 49 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop