最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
周りに怪しまれないように私が落としたことにしたのか。
慧が変なことを言うんじゃないかって冷や冷やしたよ。
「……す、すみません。ありがとうございます」
彼に話を合わせ、頭を下げると早速メガネをつけた。
大事なメガネをつけ忘れるなんて、私……恋に舞い上がり過ぎだよ。
深く落ち込む私の肩を慧は上司の顔でポンと叩く。
「気をつけて」
「はい」
落ち込みながら返事をすると、彼は部長席の方にスタスタと行ってしまった。
そんな彼の後ろ姿を見ていたら、田辺君がククッと笑った。
「お前、部長にタックルするなんて何やってんだよ」
「タックルなんてしてません」
ムッとして言い返したら、慧が私の方を見ていて目が合った。
その目を見てドキッとしてしまう。
だって、一時間前までは同じベッドに彼といたのだ。
いけない!?
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