隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
ここまでしてもらって、電話をするからと席を空けて貰うのは申し訳なかった。
そのままスマホをいくらか操作して、梨架に電話をかける。
ツーコールと待たないうちに、焦った様子の梨架がすぐに電話に出た。
「お姉ちゃん!大丈夫?今どこ?会社?」
「会社だよ、ごめん連絡もしないで」
「…発作とかまた出てない?大丈夫?」
梨架が心配して焦っていたのは多分それが理由なのだろうと思っていた。
原因こそ話してはいないものの、何度か梨架の前で発作を起こした事があり、大雨の日は梨架は今でも私の体調を気にする。
「全然大丈夫。その…急に片付けなくちゃいけない仕事が入ったの」
だからそんな風に嘘をついた。
これ以上梨架に余計な心配をかけ続ける訳にはいかない。