隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー

「そっか、発作起こした訳じゃなかったんだね」

携帯越しにでも梨架のホッとした様子が伝わってきた。
ごめんね、すぐ帰るから待ってて。
そう返そうとした時だった。

「それと…お姉ちゃん、湊人と今日会う約束してたでしょう?」

突然梨架から放たれたその名前に、驚いて思わず目を見開く。
どうして梨架がその事…。

「今日ね、家に湊人が来たの。お姉ちゃんの社員証持って」

「……!」

湊人が、家に?
…この雨の中わざわざ。

「今日みたいなゲリラ豪雨の日に誰だろうって思ったら、びしょ濡れになった湊人で本当びっくりしたんだから」

「まぁ…確かに」

「社員証渡して貰う予定だったんでしょ?
お姉ちゃんと待ち合わせしてたけど、こんな雨の中わざわざ来て貰うのも悪いから直接渡しにきた…って。今のお姉ちゃんの連絡先知らないから、私からお姉ちゃんに連絡してほしいって頼まれてたの」
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