隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
スープに入れる玉ねぎを刻む。
こういう単純作業に入ると、いやでもいろんな事を頭でぐるぐると考えてしまう。
──またそうやって俺から逃げんのか。
再会した湊人からかけられた言葉。
…逃げる、か。
確かに私はずっと逃げ続けているのかもしれない。
湊人から。目を逸らしたい過去から。
自分から。
昔からそうだ。
──そして、今でも。
「お姉ちゃん、おはよ〜….」
そんな事を考えていると、ガチャっと扉が開いて、目をこすりながらまだ眠たそうな梨架が部屋から出てきた。
「梨架、おはよう。ごはんもうちょっとで出来るからちょっと待ってて」
「うん、ありがとう。……あのね、お姉ちゃん」
「ん?」