隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー

静かになったスマホを握りしめながら、
へたへたとその場に座り込む。

「…はぁ」

思わずそんな情けない声が漏れた。

なんだかすごく、湊人のペースに乗せられている気がする。

社員証一つで、こんな事になるなんて思ってもみなかった。
もう二度と湊人とは会わないし、ましてや連絡を取ることなんて無いと思っていた。
私がそうしたくなかった。


湊人といると、自分のペースが崩れるから。
心がざわつくから。

いろんな事を思い出すんだ。
そしていつも傷つく。

湊人と付き合っていた頃も、幸せな事より辛い事の方がずっと多かった。







だから私は、湊人から逃げたい。




< 131 / 216 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop