隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
「お姉ちゃ〜ん、準備できたよ!」
そんな梨架の声が扉の向こうで私を呼んだ。
ハッとして、スマホを鞄に仕舞う。
「うん、今行くね」
そう言って、ラックにかけていた車の鍵を取ってから部屋を出た。
今から梨架を空港まで車で送る事になっている。二泊三日の、大阪でのドラマのロケがあるのだ。
少し小さめのキャリーケースを車に積んでから、梨架を乗せて車を走らせる。
「晩御飯食べに行く時間無いかもしれないって言ってたし、一応サンドイッチ作っておいたから、お腹空いた時に食べていいよ」
そう言うと、梨架が後部先に置いておいたサンドイッチの入った小さなトートバックに気づき目を輝かせた。
「ありがとう!嬉しい!夜まで待てないかも、飛行機の中で食べちゃおうかなぁ。あぁでも飛行機の中で食べる用のお菓子たくさん買っちゃったし…」
助手席で、そんな事を真剣に悩む梨架は姉の私から見てもとても可愛らしい。
同じ顔なのに、ここまで差のある双子も珍しいと思う。
明るくて可愛くて愛嬌もあって、
誰からも無条件に愛されるような梨架。