隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
今は6時。
約束の時間まではあと1時間だ。
掃除を切り上げ、ハタキや掃除機をしまってから自分の部屋のクローゼットまで移動する。
今まではいていたフレアスカートを脱ぎ、黒いパンツにはきかえる。
そして薄いニットの上には、グレーのジャケットを重ねて着た。
着替えてから、勝手に梨架の部屋から拝借してきたウィッグを手に取った。
梨架が昔舞台で少年役を演じた時に使っていたものだ。
長い髪を一つに縛り、縛った髪や前髪を入れ込むようにしてウィッグを被る。
ウィッグを被り終えてから、鏡を見る。
メンズでも通用するようなジャケットにパンツを着て、肩にも届かない長さのウィッグを被っている私。
鏡に映る自分は、どこからどうみても男性だった。