隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー

「ごめ…なさ…っ、私、湊人に酷いことずっと…っ」

涙が溢れて上手くごめんなさいが言えない。

うつむきながらぎゅっと両手を握りしめていると、湊人に肩を抱き寄せられた。


「俺もごめん。無意識のうちにずっと莉子の事傷つけてた。あの時、気づけなくてごめん」

さっきよりもずっと側で響く湊人の言葉が心に痛い。違う。湊人は悪くない。
悪いのは、湊人の優しさに気づけなくて湊人の事を信じられなかった私。


「違う、湊人は悪くな…」

湊人は悪くない。そう言いかけた時、湊人に唇を塞がれた。

湊人の唇が、少し優しく触れた後にすぐ離れる。


「……。」



酷く懐かしい感触に、思わず泣いてしまいそうになる。
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