隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
「お姉ちゃんが私のせいで色々我慢して…お洒落だって恋愛だって我慢してることくらい、梨架は馬鹿じゃないからわかるよ」
梨架は昔一人称は名前だったのを芸能界を入るのを機に、私 に変えようと頑張ったのが感情が高ぶった時や沈んだ時それが戻るのだ。
そんな事に気がついて、胸が締め付けられるような気持ちになる。
誤魔化しても、嘘をついても通用しないなと思った。
「気負わせちゃってごめん。でも、今の私にとっては自分の事より梨架の事が一番なの。応援する事が楽しい。お芝居してる梨架が大好き」
「………でも」
そう言って梨架が何か言いたげに口を開き、やがて閉じた。
その後は梨架のドラマ現場での話を聞いたりなんかして、たわいない話をしながら夕食を食べ終えた。
皿を片付けて、梨架が自分の分のお皿を洗ってくれている間にリビングを離れて自分の部屋に戻った。
ベッドに転がしていたスマホを拾って、立ち上げる。
───連絡しようとメッセージを送る先は、
湊人だ。
『忙しいとは思うんだけど、少しでいいから電話ができるような時ってある?話がしたくて』
本当は、会って直接話せたらなんて思っていたけれど、湊人は今はもう気軽に会えるような一般人ではない。スケジュール的にも無理があるだろう。
でもこのままじゃだめだから。
湊人に私は沢山酷いことをしてきてしまった。
それはもう謝っても謝りきれない。
でも、今の湊人の気持ちに応えることもできない。
だから、ちゃんと湊人に謝って、話をしなきゃ。
そう心の中で呟きながらメッセージを送信した。