隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
「………。」
3秒間くらいぼうっとフリーズした後、ケータイを側のテーブルに戻し台所へ戻ろうと腰を浮かせた時だった。
さっき手から離れたばかりのケータイが着信音で震えた。
メッセージの着信音…ではなく、
電話だ。
(ええっ、湊人?)
着信相手を確かめて思わず目を見開く。
即レス…というか何というか、湊人は多忙な俳優ではなかったのか。
少しだけ慌てながら、スマホをいくらか操作して耳に当てた。
「…はい」
『ごめんな急に電話で返して』
「ううん、今大丈夫なの?」
『うん、撮影終わった所だから。
何なら今車だし』
そう応える湊人の声は、スマホ越しでも少し疲れているように感じた。
過去の事とはいえ、そういうことがわかるくらいにはずっと一緒にいたのだ。
『莉子、明日空いてる?』