隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー

湊人side







話がある。


莉子からそんな連絡が来てすぐ、俺は莉子と実際に会う約束をとりつけた。
実際に会わずに電話で、というような内容のメッセージだったが、それは俺が嫌だった。

莉子の話というのが、きっと俺がしたあの告白の返事だろうということは考えずともすぐにピンときた。
長年の誤解が解けたあの日、俺は莉子にもう一度告白をしたのだ。


莉子の誤解の上の話だとはいえ、俺が莉子を不安にさせて傷つけた過去は変わらない。
そんな俺が莉子にしてやれる事は、金輪際莉子に関わらないでやる事なんじゃないかとも思った。


でも、それは俺が無理だった。

何を見ても何をしても誰といても誰を演じても、
俺が好きなのは莉子だった。


忘れられなかった。
高校生の時から大人になった今までずっと。

< 173 / 216 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop