隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
莉子から、きっと俺にとって嬉しい返事は貰えない。
それがわかっているからこそ、今日は電話じゃなく直接会いたいと思った。
一度振られてしまったら、理由をつけて莉子に会いに行く事も難しくなる。
だとしたら、
もしかしたら莉子に二人で会える最後は今日かもしれない。
「湊人、どうかした?」
助手席に座る莉子がそう尋ねる。
「いや何でも。ちょっと早いけど、飯食おうか」
莉子は昔から和食好きだ。
だから今回も美味しい和食の店をまた予約しておいた。
「うん、この間のとこ?美味しかったし」
「ううん。今日はまた別の所予約した」
前に俳優の先輩に連れて行ったもらった店だ。
落ち着いていて雰囲気も良く、勿論味も良い。
莉子を連れて行きたいと思っていたが、こんなに早く連れて行く事になるとは思わなかった。