隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
そう震える声で訴える莉子が、嘘をついた罪悪感が吹き飛んでしまう程可愛くて仕方がない。
「ちょっと、何笑ってるのよ湊人」
クスっと吹き出してしまった俺を見て察したのか、莉子が俺をキッと睨みつける。
「ごめん莉子。虫が付いてるって、冗談」
「……。」
冗談だと言って笑う俺に、莉子は顔を真っ赤にして頬を膨らませ可愛らしく怒る──なんて事はなく、急に顔付きを冷まして氷のような目になる、というのが何とも莉子らしかった。
その後たわいない会話を交わしながら歩いているうちに店に着いた。
予約をしていたので待つこともなく、通されたのは一番奥にある個室だった。