隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
「へへ、びっくりした?事務所のヘアメイク室で安藤さんに頼んでやって貰ったの。ちょうどいろんな撮影も終えたし、大丈夫だろうって許可も貰ったし」
「うん、すっごく似合ってる、可愛いよ。
…でもいきなりどうして?」
栗色に染めた腰まで綺麗にのびたロングヘアーは西条梨架のトレードマークだった。
それをいきなりここまでばっさりいくなんて、ただの気分転換にとは思えない。
思えば昔から梨架は髪を伸ばしていたし、ショートボブにしていた事すら無かったんじゃないかと思う。
「いや、昔からずっと私髪長かったからいつかしてみたいなぁって思ってはいたんだよね。そのいつかが今かなー、みたいな」
そう言って梨架がニコッと笑う。
それでね、と付け足すように言うと、急に私の右腕を引いて歩き出した。
「えぇっ、ちょっと梨架、帰るんじゃなかったの?」
「いーからいーから、こっちこっち」
そういって半ば強引に連れて行かれた先は、
事務所のヘアメイク室だった。