隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
「ごめん、
何かまた俺失礼な事言った?」
いきなりそう重ねて謝られて、自分がしかめっ面になっていた事に気がついた。
「あ、違います。木嶋さんの事じゃないというか、木嶋さんのせいじゃないので」
今のは完全に自分の問題だ。
「じゃあさ、そのさん付けやめない?」
「…はい?」
そんな脈絡のない提案に目を剥く。
一体何がどう"じゃあ"と繋がるというのか。
「木嶋でいいよ。同期なんだし」
「…いや、でも木嶋さんだって私の事さん付けで呼んでるじゃないですか」
「えっ、西野って呼んでいいの?」
そう言う事を言いたかったんじゃなくて…。
とっさに否定しよう思ったが、尻尾を振る犬のように目を輝かせている木嶋さんを見ると何も言えなくて、このままこの人のペースに抗うのも疲れるだけだと頷いておいた。