隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
「ありがとうございます。本当に何から何まで、すみません」
「いや、俺の方こそ悪かった。その…あそこまで慌てるって事は、相当見られたくなかったんだよな」
「……っ」
謝るという事は──やっぱり見られたんだ。
…私のせいだ。私の不注意で、石川部長を謝らせてしまっている。
石川部長は気を使って顔や目を反らしてくれていた。
それでも、見えるものは見えるし、あまつさえあんな至近距離で目があった。
……バレたくなかった。他の誰にバレるのも嫌だけど、それでも、"西野莉子"にこうやって優しく接してくれる石川部長だけには特に。
「謝らないで下さい。私のせいなので、本当に気にしないで下さい」
「いや、悪かったよ。ごめんな」
そう言って石川部長が申し分けなさそうに謝る。…って、あれ?
それだけ…?