隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
石川部長まさか…西条梨架を知らない?
姉の贔屓目を無しにしても、西条梨架は知る人ぞ知る若手女優だ。
「あの、もしかして石川部長ってあんまりテレビとか見たりされない…ですか?」
恐る恐るそう尋ねる私に、また突然だなと言って石川部長が小さく笑う。
「ニュース番組とかなら見るけど。でもドラマとかバラエティとかはあんまり見ないな」
「………。」
嘘…!
という事は本当に石川部長は、梨架の事がわからないんだ。
ほっとしたように全身の力が抜け、さっきまであんなに顔を隠そうと必死になっていた自分が急に馬鹿らしくなる。
思わず顔が緩んでしまっていた私に、
石川部長が心配するように顔をしかめた。
「なんだそんな顔して。俺があんまりテレビ見ない事が嬉しいのか?」
「べ、別に嬉しいという訳じゃ…」
指摘されて慌てて顔を反らす。
頰が緩んだ自覚はあったけど、嬉しそうな顔をしていたなんて…。