隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
「…別に、木嶋なら他に誘えば一緒にご飯行ってくれる人くらい沢山いるでしょ」
花岡さんを誘ってよ。そうしたら全ては丸く収まるんだからなんて事は言えない。
「でも、俺はずっと西野と話してみたいって思ってたし…」
「は?」
目を反らしながらボソっとそんな事を呟いた木嶋を睨みつける。
ずっとなんて絶対違う。
「嘘。私がその……似てるってわかったから話してみたくなったに決まってる」
誰に、という部分は無声音に抑えてそう言い返すと、途端に木嶋が傷ついたような、悲しそうな顔になって戸惑う。
「嘘じゃない、本当に話してみたいって思ってた。それに俺、西条梨架のファンって訳でもないし」
…そう真剣な顔で言われても、すんなりと納得なんて出来ない。
前髪が無駄に長くて、話しかけるなオーラを放っていた私なんかと話してみたいと思うなんて絶対におかしい。