隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
「わざわざすみません!昨日からずっと、何から何まで…」
そう言って謝ると、石川部長がこの位で大袈裟だなと言って笑った。
「それより風邪は引いてないか?」
「………。」
石川部長はどうしてこんな私に優しく接してくれるんだろう。
梨架と似ているという私の付随条件は、
梨架を知らない石川部長にとっては無いも同然なのに。
こんな生活を始めてから、
誰かに心配されたり気遣われたりする事は殆ど無くなっていた。
──だから、嬉しいような戸惑うような。
「西野?」
「え?…あ、大丈夫です引いてないです」
いけない。頭でぐるぐると考え込むと、会話を止めてしまうのが私の悪い癖だ。