隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
咄嗟の事に思わず声にならない悲鳴が漏れて、抵抗する事も出来ず反射的に目を瞑った時だった。
「木嶋、何やってる」
「わっ、石川部長…!?」
低い声が響き、私の腕を無遠慮な力で掴んでいた木嶋さんの手が引き剥がされる。
「西野が困ってるだろ」
そう言って木嶋を叱る石川部長の声はオフィスで話す時のものよりずっと低く、あんなにしつこかった木嶋もさっきの態度は何だったんだと疑う位に急に大人しくなった。
「ごめん西野さん、俺…」
部長が来た途端に、さっきまであんなに離してと懇願しても聞く耳を持たなかった木嶋に急にそうやって頭を下げられて驚いたが、早く駐車場に向かいたくてもういいですからと一言返す。