隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー

やがて西野が足を痛めたのか足を抑えながら立ち上がった。

「いきなりぶつかったりなんかしてすみませんでした。あの、私急ぐので──…」

そう言って立ち去ろうとする。
…西野が行ってしまう。

このタイミングで西野がぶつかってきたのって、もしかしてこれって俺にとってチャンスなんじゃないのか?
今を逃したら、もう一生西野と話せないような気がする。

そう思った俺は、気づいたら立ち去ろうとする西野の腕を掴んでいた。

西野が怯んでビクッとするのがわかる。
何引き止めて…。
な、何か話せ俺…!

一瞬真っ白になった頭でハッと気がつく。


「そんな事よりさ、西野さんって女優の西条梨架にそっくりじゃない!?」

< 63 / 216 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop