隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
やがて西野が足を痛めたのか足を抑えながら立ち上がった。
「いきなりぶつかったりなんかしてすみませんでした。あの、私急ぐので──…」
そう言って立ち去ろうとする。
…西野が行ってしまう。
このタイミングで西野がぶつかってきたのって、もしかしてこれって俺にとってチャンスなんじゃないのか?
今を逃したら、もう一生西野と話せないような気がする。
そう思った俺は、気づいたら立ち去ろうとする西野の腕を掴んでいた。
西野が怯んでビクッとするのがわかる。
何引き止めて…。
な、何か話せ俺…!
一瞬真っ白になった頭でハッと気がつく。
「そんな事よりさ、西野さんって女優の西条梨架にそっくりじゃない!?」