隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
結局選んだ店は会社の近くにある小さな居酒屋だった。
お洒落なイタリアンかレストランでもと思っていたが、かしこまった所より居酒屋なんかがいいという西野の要望だ。
確かにここはお酒が飲めなくても他のメニューが十分美味しいし、なによりカウンター席で西野と隣に座って飯を食えるのが良い。
一つのメニューをすぐ隣にいる西野と二人で一緒に覗き合う。
「どうしようかな…。木嶋決めた?」
凄い、
俺今西野と二人で居酒屋に来てるんだ。
仕事をする時以外の西野を見てる。
「木嶋聞いてる?」
オフィスで聞く強張ったように抑えた声じゃなくて、どこかほどけたような声だ。