隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー

及川湊人。

俺も詳しくは知らないが、芸能界にミーハーな姉が最近そうはしゃいでいた事を思い出す。

「そうだよ。この間まであってた深夜ドラマで人気が出てきたらしい」

「…そうなんだ」

スラリと高い身長。
切れ長でいて綺麗な二重をした目。
形のいい唇。
どこからどうみても若くて爽やかなイケメン俳優だ。


……西野、まさか。




「西野は、ああいうのがタイプなのか?」



口からつるりと滑りでた質問に、
西野が一瞬きょとんとしたような顔になって──…そして、ハッとしたように目を尖らせた。

「そんな訳ないじゃない。
全っ然、違うから」

そう答える声はいつもより数段ツンとしている、というかムキになっているように聞こえた。
いつも冷静すぎるくらいに冷静な西野が。

…まさか動揺?

「なにその目。本当に違うから」
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