隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー

どうしようかと迷って、
とりあえずタイミングをみはからって入ろうと思った時だった。


「本当は双子の妹の西野梨架…まぁ、
西条梨架の方の事が好きだったんだって」


耳を疑った。


湊人は、本当は梨架の事が好きだった?





「だけどほら、芸能活動始めて有名人になっちゃったじゃない?
だからアタックし辛くなって諦めて、姉の方の莉子を恋人にしたんだって。うちの高校では結構有名な話だったよ」



頭をまるでガンと殴られたような衝撃を受けた。

けれど何故か悲しいとか辛いなんて感情よりも先に、あぁやっぱりと思った。


ずっと気にしていた事。
最近でこそ考えないようにしていた思いが、
考えないようにしていた分だけ溜まったソレが頭の中で溢れ出す。

私の顔を、声を、体を、
私を通して梨架を想っていたのか。


たまたまサークル部屋の中から聞こえてきた会話を鵜呑みにして恋人を一ミリたりとも信用していない自分を客観的にみてもおかしかった。
余裕の無さがおかしい。
恋人を信用できない自分がおかしい。

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