独占欲強めな同期の極甘な求愛
「じゃあ……」
お願いしようかなと言いかけた時、臣がまるでそれに被せるように口を開いた。
「あぁでも……今二人になるのはまずいんだった」
「え?」
「昨日さ、美麗と二人でいるところを誰かに見られてたみたいなんだよなー。朝から色んな人にあれは誰なんだってすげー言われてさ」
やっぱり。思った通りだ。女の子に囲まれていた様子がなんとなく想像つく。
「臣は、なんて言ったの?」
きっと答えを聞けばショックをうけるに決まっているのに、どうしてか気が付けばそんなことを発していた。するとすぐ、臣の抑揚のない声が届いた。
「知り合いだって言っておいた」
「そ、そっか……」
そうだよね。それ以外に答えなんてあるはずないのに何を期待していたんだか。この前ちょっと抱きしめられたからって、たった一度ごはんに行ったからって、なに特別になった気でいるんだ。自惚れるな、と心の中で自分を戒める。
「そういえば私も後輩に聞かれたよ。あれは白鳥さんだったんじゃないのかって」
「マジかー。噂ってこえー」
「ちゃんと否定しておいたから」
「あぁ、それがいい。後々厄介なことに巻き込まれたら嫌だし」
躊躇のない発言に、ドクンと心臓が嫌な音を立てる。いくら私のことが恥ずかしいからって、その言い方は……。